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[コラム]二つの世界(1)
本日は演出家ジェームズ君による『夏の夜の夢』演出ノートとでも言うべきコラムをお届けします。すでに何度かご紹介しているように、ケンブリッジ大学ペンブルックプレイヤーズ・ジャパンツアー2008『夏の夜の夢』はヴィクトリア朝を舞台にしています。アレックス君によるコラム「ヴィクトリア朝のイギリス」で舞台となる時代背景は説明されていますが、なぜこの時代が原作で登場するアテネに置き換えられるのか?についてはジェームス君がやはり適任でしょう。

翻訳については小菅新さんにご協力いただきました。本コラムは二回に分けて掲載します。なお、原文をお読みになりたい方は続きを読むをクリックしてください。

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二つの世界:
『夏の夜の夢』のアテネと森に見え隠れするヴィクトリア朝イギリス


ヴィクトリア朝のイギリスにおいて上流階級の人々は、常に堅苦しく、生真面目で、気取っていました。家族の中ですら、子どもは自由に話すことを許されず、父親の言葉が絶対でした。堅苦しい社会規範にのっとって行動することこそが何よりも重要だったのです。事実、しばしば出版されたガイドブックには、事細かに厳しい礼儀作法が説明されています。1859年に出版された『The Habits of a Good Society(「良い」社会での振る舞い方)』と言う本の中では「レディーたるもの荒い息を吐いたり、とても暑いような素振りを見せたり、また顔を青くして寒がるような振る舞いはいっさい慎むべきだ」と書かれています。礼儀作法は厳しく律され、社会の上下関係も厳格でした。

おそらくはこのような雰囲気への反発から、ヴィクトリア朝の文学や芸術では人間の持つ様々な性質の中で「マナー」などに縛られないものがよくテーマとして取り上げられました。ジョージ・エリオットはこれを「我々の内にある未開の世界」と表現し、それはとどまることを知らない人間の思考や、空想や幻想を愛する心、想像力、時には恐ろしいまでに自由な夢の世界などを指しています。エミリー・ブロンテは1847年に出版された『嵐が丘』の中で以下のように表現しました。

「あたし、いついつまでも心に残って、あたしの考えまで変えてしまうような夢を見たこともあるのよ。」〔E. ブロンテ・著、阿部知二/三宅幾三郎・訳『ジェイン・エア 嵐が丘』(1989、河出書房)p.404〕

この時代の文学作品の多くは、ある意味では幼稚な衝動に突き動かされています。その衝動は今の自分の生活から逃げだし、夢と現実、そして過去と現在が混ざり合い、どちらとも見分けがつかないような遠くの地へ行きたいというものです。「夢見人Dreamer of Dreams」として知られるウィリアム・モリスは、彼の詩や文学の中で『アーサー王物語』に見られるような荒々しく、神秘的な世界を懐かしみ、追い求めています。ルイス・キャロルはアリスに「不思議の国」を与え、J.M. バリーはピーター・パンのために「ネバーランド」を創りました。「そら豆のような美しい緑色の船」に乗って海に出た、エドワード・リアのふくろうくんとこねこちゃんは、最後に「手と手をとりあい、海の浜辺」で…

(続く)

UK-Japan 2008 WEBサイトに記事掲載!
JUGEMテーマ:演劇・舞台
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Finding Athens and the Wood in Victorian England


Polite society in Victorian England was prim, proper and priggish. Children were to be seen and not heard. The father's say was final. It was essential that etiquette was unflinchingly adhered to. Indeed, pamphlets detailing exactly how to pertain to such standards of punctiliousness were published frequently. 'A lady,' says The Habits of Good Society (1859) 'should conquer a habit of breathing hard, or coming in very hot, or even looking very blue and shivery.' Manners were militant and hierarchy rigid.

Perhaps as a reaction to this, much Victorian literature and art is concerned with those human faculties no degree of manners could possibly contain. George Elliot called it the 'unmapped territory within us', the wide boundlessness of our thoughts, our love of fantasy, our imagination, the terrible freedom of our dreams. In Wuthering Heights, Emily Brontë writes:

I have dreamed in my life dreams that have stayed with me ever after, and changed my ideas; they have gone through me like wine through water; and altered the colour of my mind.

Much literature of the period is motivated by a childish desire to run away, to escape to a far away land where dream and reality, past and present, are fused and confused. The poetry and short stories of William Morris, who was known as the 'dreamer of dreams', yearn nostalgically for a magical Arthurian wilderness. Lewis Carol created Wonderland for Alice, J.M. Barrie devised 'Neverland' for Peter. Edward Lear's owl and pussycat escape to sea in a 'beautiful pea green boat' are left 'hand in hand, on the edge of the sand' where...

(to be continued...)
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"Shakespeare on the other side of the Globe..." Cambridge University Pembroke Players Japan Tour 2008 will perform "A Midsummer Night's Dream" around Japan. The link at the bottom of each article will lead you to the English version. Please forgive any inconveniences, articles are being translated backwards one by one... List of ENGLISH articles.
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シェイクスピア劇を通じた日英交流を目指す、ケンブリッジ大学ペンブルックプレイヤーズの今年の来日公演は「夏の夜の夢」。本公式ブログでは公演情報だけでなく舞台制作等裏話も提供していきます!どうぞお楽しみに!   mail
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